この記事のポイント
- トゥルークライムのジャンルにおける倫理的なストーリーテリングは、被害者とその家族を尊重する鍵であり、繊細なコンテンツ作りの必要性を際立たせている
- テクノロジーは、世界の犯罪や事件の実話(トゥルークライム)を見る機会を人々に与え、このジャンルへの関心を高めてさせている
- 犯罪を扱うメディアの進化は、ヴィクトリア朝時代の新聞から現代のストリーミングプラットフォームにまで及んでいる
- ソーシャルメディアとオンラインフォーラムにより、未解決事件を解決するためにユーザーが協力して捜査を行うことが可能になった
- VPNルーターのようなツールを使用すれば、トゥルークライムを含むさまざまな国のコンテンツにアクセスが可能
- 好奇心、恐怖への対処、スリルの追求といった心理的要因が、人々の犯罪の実話に対する執着心を駆り立てる
これまでの人生で、事件や犯罪の実話に基づくドキュメンタリーシリーズに夢中になったのはいつのことか思い出してみてください。おやつを手に取り、ゆっくりと腰を落ち着けたつもりが、次の瞬間には6話もイッキ見してしまい、まるで探偵のように手がかりをつなぎ合わせている自分がいたと思います。このような作品はトゥルークライムという作品ジャンルに入り、実際に起こった事件や犯罪を扱う文学や映画、テレビドラマ、ポッドキャストのコンテンツとして、さまざまなメディアで発表されています。NetflixやMax、YouTubeといったプラットフォームのおかげで、世界中の作品をボタンひとつで視聴できるようになり、恐ろしい事件や謎めいたミステリーをリビングから直接見れるようになりました。
このトゥルークライムブームにはただのイッキ見以上の意味があります。テクノロジーが新しい世代の探偵を生み出し、オンラインフォーラムやDNAデータベースでアマチュア探偵たちが、何十年も警察を悩ませた未解決事件を解決できるようになったのです。ですが、探偵気分を味わえる一方で、代償もあります。犯罪事件を解決し、認識を高めるのに役立つ同じプラットフォームが、現実の悲劇を娯楽に変えてしまうリスクも抱えているのです。
社会が犯罪の実話に夢中になる理由を探り、「誰が」「どのように」ではなく、「なぜ」「どんな代償を払っているのか」を一緒に探ってみましょう。
◼️目次
犯罪を扱うメディアの進化
テクノロジーが犯罪にもたらす変革
文化の違いによる犯罪事件の捉え方
犯罪の実話に魅了される理由
犯罪の実話への執着がもたらす代償
法執行機関への影響
まとめ:バランスが大切
犯罪を扱うメディアの進化
人間の本性にまつわる暗い物語に対する人々の執着は、今に始まったことではありませんが、その魅力の糧となる手段は年々劇的に変化しています。ラジオを囲んだり、夕方のニュースを見たりして、話題の裁判の最新情報をチェックしていた時代を覚えていますか?メディアの進化は、これらの情報にアクセスする方法だけでなく、それらとどのように関わるかも変えました。
センセーショナルな新聞の初期の時代からストリーミングサービスの現代に至るまで、犯罪を扱うメディアがどのように進化してきたかを示す8つの注目すべき事例をご紹介します。
1. ヴィクトリア朝のセンセーショナリズム:切り裂きジャック(1888年)
切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)事件は、初期のメディアによるセンセーショナリズムの代表例です。ヴィクトリア朝後期のロンドンでは、「Star」紙や「Daily Telegraph」紙のような新聞が、大衆の熱狂を生み出す上で重要な役割を果たしました。新聞は殺人事件の薄気味悪い詳細を掲載し、犯人の正体について荒唐無稽な推測を行い、切り裂き魔からの手紙と称するものを公開したのです。これは大衆の恐怖心を煽っただけでなく、新聞の売り上げを伸ばす手段として、犯罪報道の雛形を確立させました。
2. 報道合戦:リンドバーグ愛児誘拐事件(1932年)
1932年まで時代が進むと、米国では「世紀の大犯罪」と言われたリンドバーグ愛児誘拐事件が発生しました。新聞とラジオは絶え間なく大騒ぎし、生後20ヶ月のチャールズ・リンドバーグ・ジュニア君の失踪事件のあれこれを追いかけました。メディアの熱狂の規模があまりにも大きかったため、注目度の高い犯罪に関して報道機関を牽制することを目的とした新しい法律が制定され、公共の議論や法的状況の形成においてメディアがいかに強力な影響力を持っているかが浮き彫りになりました。
3. テレビで放映された正義:サム・シェパード事件(1954年)
妻殺しの罪に問われたサム・シェパード医師は、メディアが司法に与えた影響において歴史的な人物となりました。彼の裁判は、テレビで大々的に取り上げられた最初の裁判のひとつであり、メディアの倫理と推定無罪について広く世論を巻き起こしたのです。後に連邦最高裁判所は、シェパードが公正な裁判を受けられなかったのはメディアの過熱ぶりが一因であるとの判決を下し、報道の自由と公正な裁判との間で現在も綱引きが続いていることを浮き彫りにしています。
4. 著名人の犯罪:テッド・バンディ事件(1979~1980年)
テッド・バンディは、メディアで注目を浴びた人物が暗躍した恐ろしい例です。不気味な魅力で知られるバンディは、その陰惨な犯罪にもかかわらず、彼の虜になった多くのファンを惹きつけたため、この独特の魅力が彼の裁判を本格的なメディアイベントに変えました。この裁判は初めて全国的に放送され、何百万人もの人々が視聴しました。これは、メディアがいかに重大な犯罪裁判でさえも必見のテレビ番組へと変貌させるかを浮き彫りにし、この種の露出が国民の認識と正義に及ぼす影響についての疑問を引き起こしました。
5. 完全放送:O.J.シンプソン裁判(1994年)
O.J.シンプソン裁判は、メディアの影響力を新たな次元に押し上げました。テレビで生中継されたこの事件は、これまで見たことのない方法で著名人の文化と犯罪を融合させ、国民的な注目を集めました。この大々的な報道は世間の認識を形成しただけでなく、人種間の緊張、警察の違法行為、有名人の「ハロー」効果(有名人は悪いことをしないという思いこみ)についての疑問を投げかけ、メディアの報道と社会問題との複雑な関係を浮き彫りにしました。
6. ソーシャルメディアの正確性:ボストンマラソン爆弾テロ事件(2013年)
ボストンマラソン爆弾テロ事件では、ソーシャルメディアのスピードと正確さが試され、また法執行機関や公安の語り口にも大きな影響を与えることが浮き彫りになりました。混乱が広がる中、Twitter(現在はX)のようなプラットフォームは緊急連絡に不可欠でしたが、誤った情報が急速に広まったことで、不当な非難やパニックにもつながりました。事件の直後、Redditのサブレディット (r/findbostonbombers) やその他のソーシャルメディアプラットフォームのユーザーは、テロ攻撃の1ヶ月前に行方不明になっていたスニル・トリパティなど、無実の数名を容疑者として誤認しました。これにより、冤罪を着せられた人々の家族に対する嫌がらせや脅迫など、深刻な事態に発展しました。
この出来事は、法執行機関によるソーシャルメディアの利用方法に変化をもたらし、緊急時のオンライン上での対応や一般の人々とのやり取りを改善するよう各機関に働きかけました。また、有害な誤報の拡散を防ぐためにコンテンツを規制するデジタルプラットフォームの責任についての議論にも拍車をかけました。
7. ドキュメンタリーの衝撃:『殺人者への道(メイキング・ア・マーダー)』(2015年)
『殺人者への道』はトゥルークライムドキュメンタリーの常識を変えました。この作品がNetflixに登場すると、誰しもがウィスコンシン州マニトウォック郡に住むスティーブン・エイブリーについて、そして正義が本当に果たされたかどうかについて話題にしました。DNA鑑定によって無罪が確定していたエイブリーは、写真家テレサ・ハルバッハ殺害という新たな殺人容疑で告発されました。このシリーズは、嘆願書、法廷での議論、描かれた事件に対する現実世界での精査などの活動を引き起こし、視聴者を正義と透明性に関する国民的議論へと駆り立てました。Netflixは『殺人者への道』を通じて、優れたドキュメンタリーは大規模な教育や思想・行動の喚起につながることを証明しました。
8. 複数のプラットフォームでの報道:アレックス・マードックの裁判(2023年)
サウスカロライナ州の元弁護士で、妻子殺害などの罪に問われていたアレックス・マードックの裁判は、さまざまなデジタルプラットフォームで大々的に取り上げられました。従来のニュース放送から、あらゆる展開を分析するPodcastやYouTubeチャンネルまで、この事件は、24時間365日、マルチプラットフォームで見世物となり、犯罪を扱うメディアの現状を示しました。マードック裁判は、金融詐欺と劇的な個人的没落という要素も相まって、世界中の視聴者を夢中にさせ、現代のデジタルプラットフォームがいかに長期にわたって人々を釘付けにするかを浮き彫りにしました。
テクノロジーが犯罪にもたらす変革
新しいテクノロジーやプラットフォームが続々と登場するなか、現在私たちは犯罪事件をこれまでとは違った形で体験しています。
24時間流れ続けるニュース
メディアの執拗な報道は、人々の犯罪への憧れを増幅させてきました。1950年代以降、特に1970年に入ってからは、メディアは犯罪事件に関するニュースを繰り返し流してきました。「流血がニュースを呼ぶ (if it bleeds, it leads)」という西洋の慣用句は、メディアが凶悪犯罪に焦点を当てていることを強調しており、人々の関心と恐怖をさらに煽っています。絶え間なく流れ続けるニュースや速報により、常に鮮明に記憶され、目をそらすことができなくなっています。
オンデマンドコンテンツ
最新エピソードがテレビで放送されるのを待つ時代は終わりました。現在は、魅力的なドキュメンタリーシリーズの全シーズンを、いつでも好きな時にまとめて視聴できます。ストリーミングプラットフォームは、身の毛もよだつ事件を解明するドキュメンタリーやシリーズを多く配信しており、犯罪マニアにとって宝の山となっています。この即時アクセスにより、視聴者は執着心を煽られて腕利きの探偵に変わり、複雑な各事件を深く掘り下げることを可能にしています。
オンデマンドストリーミングの台頭も、「犯罪」というジャンルを一般化させました。独立した映画制作者やクリエイターは、作品を発表できるプラットフォームを手に入れたことで、あまり知られていない事件や新鮮な視点を世界中の視聴者に届けることができるようになりました。このようなコンテンツの多様性の急増は、トゥルークライムファンが異なる文化や視点からストーリーを探求し、このジャンルへの理解を深めることができることを意味します。
Podcast
Podcastは強力なメディアとして登場し、ストーリーテリングを一般化し、マイクとインターネット接続さえあれば誰でも、個人的かつ没入感のある方法で犯罪事件の真相を探求できるようになりました。アドナン・サイード事件の顛末に焦点を当てた『シリアル シーズン1』のような番組は、何百万人もの人々を虜にし、リスナーを腕利きの探偵に変えました。リスナーは各エピソードに引き込まれ、毎日の通勤やトレーニングが手に汗握る探偵物語に変わったのです。サイードは20年以上の服役の後、殺人罪の有罪判決を覆して釈放されましたが、この事件が注目され、彼の無罪が証明されたのは『シリアル』の功績が大きかったと考えられます。
Podcastはまた、テレビや映画では取り上げられないような、あまり知られていない事件にスポットライトを当てています。独立クリエイターは、忘れ去られた、あるいは見過ごされた犯罪事件を調査し、他の方法では聞けないかもしれない被害者や擁護者の声を届けます。リスナーからの呼びかけやソーシャルメディアでのディスカッションにより、相互作用的な層が生まれ、犯罪事件に積極的に関わる犯罪マニアのコミュニティが形成されています。
ソーシャルメディア
ソーシャルメディアプラットフォームは、犯罪に対する捜査を単独捜査から共同捜査に変えました。Redditのようなプラットフォームは、アマチュア探偵たちが現在進行中の事件や歴史的事件について議論、分析、推理するコミュニティを主催しています。r/UnresolvedMysteriesやr/TrueCrimeのようなサブレディットには、世界中の人々が集まり、洞察を共有し、時には現実の謎を解き明かすこともあります。
ソーシャルメディアのバイラルな性質は、犯罪実話があっという間に世界中の人々に知れ渡ることを意味します。情報の急速な拡散により、人々の未解決事件への関心が再燃し、当局に捜査再開の圧力をかけることができます。しかし、ボストンマラソン爆弾テロ事件でネット探偵が容疑者を誤って特定したように、誤った情報や根拠のない非難を広めるリスクも伴っています。
YouTube、TikTok、Patreonなどのプラットフォームは、動画を使って事件の解説や分析を行う新世代のストーリーテラーも生み出しています。Coffeehouse CrimeやTruly Criminalなどのクリエイターは、綿密な調査と魅力的なビジュアルをミックスさせ、テクノロジーに精通した若い視聴者にも複雑な事件内容をより理解できやすくしています。TikTokの動画の短さは、人々のペースの速い生活にぴったり合っており、トゥルークライムコンテンツを素早く簡単に視聴するのに一役買っています。
ブログ、双方向型ウェブサイト
ブログや双方向性のあるウェブサイトも、大きな役割を果たしてきました。WebsleuthsやThe Doe Networkのようなサイトは、アマチュア探偵が未解決事件を掘り下げるのに最適です。これらのプラットフォームは、コミュニティメンバーが情報を提供し、証拠を分析し、推理を共有する、クラウドソーシングによる捜査にとって非常に貴重なものとなっています。
「バックスキンガール (Buckskin Girl)」の事件を例に挙げてみましょう。この身元不明の殺人被害者は、1981年にオハイオ州で発見されました。Websleuthsのアマチュア探偵と法医学専門家の協力の元、2018年に新しいDNA技術が使用され、ついに彼女がマーシア・キングであると特定されました。この事件は、長年当局を悩ませてきた未解決事件を解明するために、オンラインコミュニティがいかに専門家と力を合わせることができるかを示しています(詳細は後述します)。
双方向性のあるウェブサイトでは、詳細な事件のアーカイブ、タイムライン、ディスカッションフォーラムも提供され、ユーザーは事件内容に没頭できます。このようなレベルの関与は、犯罪マニアの間にコミュニティ意識を育み、未解決事件に対する人々の関心を維持し、時には新たな進展や突破口につながることもあります。
VPN
VPNルーターを含むVPNは、トゥルークライムコンテンツへのアクセス方法に革命をもたらし、世界中のさまざまな犯罪実話に無制限にアクセスできるようになりました。ストリーミングプラットフォームは、特定の国でのみ視聴可能な独占シリーズやドキュメンタリーを多く提供しています。VPNを使用することで、犯罪マニアは仮想的にロケーションを変更し、より幅広い種類の手に汗握るストーリーを視聴できます。また、英国でのみ視聴可能な話題のシリーズや米国限定ドキュメンタリーも、自宅にいながら視聴できます。
VPNはプライバシーとセキュリティも提供するため、オンラインアクティビティの監視を心配することなく、これらのストーリーを深堀りできます。VPNの暗号化接続により、閲覧履歴や個人データが確実に保護され、刺激的なコンテンツの世界に没頭する際のセキュリティをさらに強化できます。また、VPNは安定した接続を維持するのに役立ち、データ量の多いストリーミングセッション中の中断(ISPスロットリングなど)を防ぐため、お気に入りの実録犯罪番組や犯罪ドキュメンタリーをスムーズで中断なく視聴できるようになります。
文化の違いによる犯罪事件の捉え方
テクノロジーによって、人々が犯罪実話に触れる方法が劇的に変化したことは間違いありません。犯罪への執着は世界的な現象である一方、その捉え方や反応は文化によって大きく異なります。
米国のドラマチックな語り口から韓国の感動的な語り口まで、それぞれの文化が犯罪事件に対して独自の視点をもたらしています。
地域 | ストーリーテリングのスタイル | メディア報道 | 視聴者の反応 | 好まれるプラットフォーム |
米国 | ドラマチック、細部にこだわり、しばしばセンセーショナル | 広範、マルチプラットフォーム | 非常に熱心で積極的 | Podcast、ストリーミングサービス、ソーシャルメディア、フォーラム |
日本 | 控えめかつ敬意を払い、被害者に焦点を当てる | 限定的、制限されている | 控えめ、社会的影響に着目 | オンライン記事、ドキュメンタリー、最小限のソーシャルメディア |
北欧 | 分析的、事実・社会的状況に基づく | 包括的でバランスが良い | 思慮深く、批判的で、司法改革に重点を置く | Podcast、オンライン記事、ソーシャルメディア |
韓国 | 感情的、ドラマチック、細部にこだわり | 広範、シリーズ化 | 非常に感情的、コミュニティ主導のディスカッション | ストリーミングサービス、オンラインフォーラム、連続テレビ番組 |
英国 | 調査・歴史的背景に基づく、バランスが取れている | 徹底的、ドキュメンタリースタイル | 歴史的背景に関心を持ち、積極的 | ドキュメンタリー、Podcast、双方向型ウェブサイト |
インド | 物語重視、調査に基づく、多様性 | 成長中、マルチプラットフォーム | 地域によって異なるが、熱心で憶測で動くことが多い | テレビ、新聞、YouTube、ソーシャルメディア |
ラテンアメリカ | 情熱的、ドラマチック、社会性重視 | 広範、クロスメディア | 社会正義を重視し、関与する | テレビ、ラジオ、ソーシャルメディア、オンライン記事 |
米国
米国では、トゥルークライムのストーリーテリングはドラマチックで細部にこだわり、しばしばセンセーショナルな展開を見せます。例えば、『ザ・ステアケース 〜階段で何が起きたのか〜』や『ザ・ジンクス』のような人気ドキュメンタリーシリーズには、クリフハンガーや心理的な深堀りがふんだんに盛り込まれています。『ザ・ステアケース』は、妻キャスリーンを殺害した罪に問われた作家マイケル・ピーターソンの裁判を追っています。『ザ・ジンクス』は、複数の殺人容疑がかけられた不動産相続人ロバート・ダーストの生涯を描いています。このドキュメンタリーシリーズでは、ゾッとするような告白や新たな証拠が明らかになり、視聴者はハラハラさせられます。
米国での犯罪事件に対するメディア報道は、テレビ番組、Podcast、書籍、ソーシャルメディアにまたがり、視聴者を夢中にさせるマルチプラットフォーム的アプローチを生み出しています。例えば、2015年に起きたデニース・ハスキンス誘拐事件(リアル版『ゴーン・ガール』と世間に注目された)を描いた『アメリカン・ナイトメア:誘拐事件はなぜ“狂言”と言われたのか?』は、その強烈なストーリーと感情的な深みで視聴者を魅了し、トゥルークライムがいかになくてはならない作品ジャンルになりうるかを示しています。
日本
日本での犯罪事件に対するアプローチはより控えめで、被害者とその家族に焦点を当て、敬意を払っています。ストーリーテリングは必要最小限にとどめられ、プライバシーと尊厳を守るために報道は規制されています。『警視庁捜査一課 ルーシー・ブラックマン事件』(英国人女性が顧客の手によって殺害された事件の捜査を追ったもの)のようなドキュメンタリーでは、センセーショナルな詳細よりも社会的影響に焦点が当てられています。このアプローチは、調和と敬意を重視する文化的背景を反映しており、宮崎勤の東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件(日本で最も悪名高い連続殺人犯)の報道でも、メディアは宮崎の犯罪の生々しい詳細よりも、心理的・社会的影響を強調していました。
北欧
司法制度への信頼が高いことで知られる北欧諸国は、事実に基づいた分析的なスタイルで犯罪事件にアプローチしています。メディアの報道は包括的でバランスが取れており、センセーショナリズムを排除した徹底的な分析を提供します。例えば、デンマークの『インベスティゲーション』シリーズは、ジャーナリスト、キム・ウォールの殺人事件の捜査を再現し、センセーショナルな詳細よりも手続きや法的側面に焦点を当てています。この理路整然としたストーリーテリングは、司法改革と社会の透明性を重視する北欧の姿勢を強調しています。
韓国
韓国の実録の犯罪ドラマは感情的でメロドラマ的な作品が多く、詳細なストーリーテリングで視聴者を魅了します。『ボイス~112の奇跡~』(112通報センターとチームメンバーの生活を追う)のような番組や、セウォル号沈没事故のような事件を扱ったドキュメンタリーは、視聴者を深く惹きつけ、長く興味を抱かせ続けるために連続ドラマ化されることが多いです。
連続殺人犯ユ・ヨンチョル(別名:レインコートキラー)のメディア報道も非常にドラマチックで、感情的なストーリーテリングやコミュニティ主導の議論に対するこの国の社会的関与を反映しています。
英国
英国では、犯罪事件の歴史的背景に焦点を当て、調査に基づくバランスの取れたスタイルでアプローチされることが多いです。ドキュメンタリーや『The Yorkshire Ripper Files』のようなシリーズは、事実と証拠を重視し、事件を包括的に取り上げています。もうひとつの例は、グレース・ミレーンの殺人事件の報道です。英国人観光客だったグレースは2018年、ニュージーランドでTinderで知り合った男に殺害されました。当時、報道は警察の捜査、裁判手続き、オンラインデート(出会い系アプリを利用した出会い)の安全性に対するより広範な影響について掘り下げられました。事実に基づいた詳細な報道は、緻密な分析と現代の問題に関心を持つ視聴者に訴えるものです。
インド
インドでは、犯罪実話はこの国の豊かなストーリーテリングの伝統に深く根付いています。2008年に13歳の少女が殺害されたアールシ・タルワール事件では、家族の絆、警察の失策、メディアの横行する憶測が絡み合い、全国的な注目が集まり、数え切れないほどの説やゴシップが世間を熱狂させました。
もうひとつのセンセーショナルな事件は、2020年に亡くなったボリウッド俳優のスシャント・シン・ラージプットの事件です。彼の死は自殺と断定されたにもかかわらず、その後メディアはガールフレンドのリア・チャクラボルティーをめぐってさらに過熱しました。「スシャントが自殺するよう仕向けた」と、メディアがリアを非難したのです。いかに憶測が(事実を覆い隠すほど)さらなる憶測を生むかが浮き彫りになりました。諸説飛び交い世間の陰謀が渦巻くこの事件は、インドにおける犯罪がいかに現実の悲劇を全国的な論争や見世物に変えてしまうかを物語っています。
ラテンアメリカ
ラテンアメリカの犯罪実話に対するアプローチは、情熱的でドラマチックに、そして社会問題や正義に焦点が当てられます。メディア報道はテレビ、ラジオ、印刷物など、クロスメディアで幅広く行われています。これは、犯罪が社会に与える影響を強調し、視聴者の心に深く響く『ナルコス』のようなシリーズによく表れています。麻薬王パブロ・エスコバルと密売組織メデジン・カルテルの物語は、社会的・政治的な影響を掘り下げており、この地域のドラマチックで社会に焦点を当てたストーリーテリングのスタイルを表しています。
もうひとつの興味深い物語は、メキシコで娘が麻薬カルテルに誘拐・殺害された後、自らの手で正義を貫いた母親、ミリアム・ロドリゲス・マルティネスの物語(『母の聖戦』)です。娘を殺した犯人を1人ずつ追い詰める彼女の執拗な追跡は、全米を魅了しました。個人の勇気と揺るぎない決意に満ちたミリアムの物語は、ラテンアメリカにおける犯罪事件が、いかに正義の探求と激しい物語をどのように絡み合わせ、現実の悲劇をインパクトのある物語に変えるかを物語っています。
犯罪の実話に魅了される理由
ポッドキャストからドキュメンタリーまで、人々の犯罪の実話への執着は国境・文化を越え、凶悪な人間に対する好奇心を共有することで団結していることは明らかです。実際、YouGovの最近の調査によると、米国人の50%以上がトゥルークライムコンテンツを楽しんでおり、35%が少なくとも週に1回は視聴しています。しかし、これらの物語の何が人々を惹きつけるのでしょうか?スクリーンに釘付けになり、展開されるドラマから目を離せない理由は何なのでしょうか?
心理的要因
好奇心と恐怖心のコントロール
人々の興味の根底には、人間の本性の暗い側面に対する生来の好奇心があります。犯罪の実話は、こうした病的な好奇心を安全に刺激し、実際の危険を伴うことなく潜在的な脅威を理解する手段を提供します。研究科学者のコルタン・スクリブナー博士は、ニューヨーク・ポスト紙の最近のインタビューで「この魅力の原点は、人類が言語を使うようになり、積極的に攻撃するようになった30万年前にさかのぼる可能性が高い」と語っています。さらに「危険な人々について学ぶことは、初期の人類がコミュニティ内の潜在的な脅威を識別するのに役立ち、生き残るために不可欠だった」と説明しています。
心の準備
実話の犯罪を知ることはまた、現実世界の危険に対する備えを強化し、危険を回避するのに役立つこともあります。OnePollの調査によると、トゥルークライムファンの76%が、犯罪ジャンルのコンテンツを視聴することで、実生活で同じような状況を避けることができると考えていることが判明しました。犯罪者の行動パターンを理解することで、殺人者の兆候を見抜き、自身の身を守る備えが少し整ったと感じるようです。
興味深いことに、女性は特にトゥルークライムに惹かれる傾向があります。Podcastの事件/犯罪カテゴリのリスナーの約73%は女性であり、個人の安全や危険に対する意識の高まりに関連している可能性があります。殺人で有罪判決を受けた人の95%、被害者の79%が男性であるにもかかわらず、普段耳にする犯罪実話は、女性の被害者に焦点を当てられたものが多いです。この注目度合が、女性への暴力に対する社会的懸念を浮き彫りにし、女性層の共感を呼んでいます。
また犯罪の実話は、女性被害者の立ち直りを描くことも多く、強い感情的なつながりと正義への渇望を生み出ています。さらに、安全な生活を送るための実用的なヒントも提供しています。調査によると、女性は生存戦略や犯罪行動に対する洞察を含む犯罪実話に惹かれるようですす。犯罪者の心の中に入り込むことで危険を認識し、現実の状況で身を守る準備ができると実感するのです。
スリルと興奮
皆さんはホラー映画を見て、アドレナリンが大量に出たことはありませんか?犯罪の実話も、ホラー映画と同様の反応を引き起こします。サスペンスや予測不可能な展開は、人々をハラハラさせ、ドキドキするスリルを人々に与え、中毒性のある感覚をもたらします。スクリヴナー博士によると、「犯罪実話は人々の原始的な恐怖反応を利用し、ジェットコースターやお化け屋敷のような中毒性のある爽快な体験を生み出す」ようです。またトゥルークライムファンは、手がかりや推理をつなぎ合わせ、問題解決スキルを発揮し、点と点がつながったときの達成感を味わうという知的挑戦を楽しむことも多いです。
悪への憧れ
犯罪の実話に触れることによって、法医学心理学者が「人間の根本的な衝動」と呼ぶもの、つまり「殺人」という行為に踏み込み、凶悪犯罪を犯す人々の心を覗き見ることができます。「善と悪の戦い」に対する憧れは幼少期に始まり、生涯を通じて続きます。人々が過激な暴力行為に興味を抱くのは、それが私たち自身の現実からあまりにもかけ離れているからです。作家のケイトリン・ロザー氏によると、「こうした心理的な深みに飛び込むことは、自分自身を守り、異常な行動に対する好奇心を満たするのに役立つ」そうです。
傍観者の無関心
交通事故や自然災害に目を向けずにはいられないのと同じように、連続殺人や凶悪犯罪の陰惨さは人々の注意を引きつけます。心理学者たちは、これが暴力や災害、つまり恐ろしいが無視できない出来事に対する社会の広範な執着の一部であることを認めています。トゥルークライムは、恐ろしいことが起こっているにもかかわらず、それは他の誰かに起こっていることを人々に認識させ、奇妙な安堵感を与えます。傍観者の無関心として知られるこの「自分じゃなくて彼らでよかった」という考え方は、人々がこうした犯罪の実録に魅了される上で重要な役割を果たしています。
個人的な恐怖や感情の処理
犯罪の実話は、多くの場合強い感情的な反応を引き起こし、被害者への共感や正義への切望を育みます。これらの物語は、善悪の本質や個人とその家族に対する犯罪の影響を考慮しながら、道徳的・倫理的問題について人々に考えさせることができます。心理学者は、実際に起こった犯罪に触れることで、管理された環境の中で自身の最も暗い感情とつながることができると示唆しています。人々はこれらの物語が提供する道徳的な明快さと感情的な関わりを繰り返し求めるため、このような感情的なつながりは、ほぼ癒し的なものになえます。
さらに犯罪の実話は、被害者だけでなく、場合によっては加害者にさえも共感を覚えることができます。加害者の背景と動機を理解することで、人間の行動についてより微妙な視点が得られます。この複雑な感情移入は、無力感、安全性、愛着といったテーマに触れながら、自分自身の恐怖を処理し、コントロールするのに役立ちます。これらの物語を通じて、人々は自分の最も深い不安と向き合い理解し、混乱に直面してもある種のコントロールと理解を見出すのです。
犯罪事件は、安全なリビングに居る人々の恐怖を刺激し、道徳心を揺さぶり、そして激しい感情を抱かせます。
社会的・文化的影響
社会的な絆
犯罪の実話は、ファンの間に共同意識や帰属感を育むことが多いです。コーヒー片手に推理を語り合ったり、オンライン上でディスカッションを深めたり、こうした共通の興味は強いつながりを生み出すことがあります。この共同体的な側面により、人々は共通の関心事をめぐって絆を深め、実際の犯罪がさまざまな社会的場面で人気のトピックとなっています。犯罪事件のディスカッションに特化したオンラインコミュニティやソーシャルメディアグループは、これらの事件がどのように人々を結び付け、交流を促進し、共通の目的意識を生み出すかを示す完璧な例です。
文化的な語らい
上で述べたように、テクノロジーにより、トゥルークライムは共同体験に変わりました。オンラインフォーラム、ソーシャルメディアグループ、および双方向型ウェブサイトは、熱狂的なファンがアイデア、推理、精神的なサポートを得られる賑やかなコミュニティを生み出しています。こうしたデジタル空間は、実録犯罪コンテンツとの関わりを深め、共通の目的意識を育みます。Redditで事件を分析する場合でも、Facebookのディスカッショングループに参加する場合でも、こうしたやり取りはより没入的でつながりのある体験となり、つながりを求める人々を惹きつけ、さらに何度もアクセスを促します。
実録犯罪のドラマの見過ぎは身体に悪いですか?
トゥルークライムドラマに夢中になることは、思っているよりも普通のことです。サンディエゴ市警察の元主任心理学者マイケル・マンテル博士はNPRとのインタビューで、「犯罪に対する私たちの好奇心はいくつかの健全な心理的目的に役立つ可能性がある」と述べています。これは、人間の行動や道徳の複雑さを探求する方法です。犯罪実話は、人間の本性の暗い側面を掘り下げ、好奇心を満たし、潜在的な脅威に対する備えを強化します。
しかし何事もそうですが、度が過ぎることもあります。殺人や騒乱の物語にどっぷり浸かっていると、いたるところに脅威があると思うようになりがちです。過剰な視聴は、犯罪が実際にはどれほど一般的なものであるかという偏った認識につながり、日常生活をより不安で安全でないものにしてしまう可能性があります。
暴力や悲劇に鈍感になる危険性もあります。あらゆる恐ろしい行為がエンタメ化されてしまうと、その背後にある人間の本当の苦しみが見えなくなってしまう可能性があります。視聴者は、事件の被害者がドラマの単なる登場人物ではなく、本当の痛みを抱えた実在の人物であることを忘れてしまうかもしれません。
犯罪の実話への執着がもたらす代償
これには被害者家族への影響も含まれます。トゥルークライムは、心を打つ物語ではなく、被害者家族が日々耐えなければならない厳しい現実なのです。愛する人の悲劇を改めて語ることは苦痛をもたらすと同時に、被害者擁護の足がかりにもなるという諸刃の剣となる可能性があります。
2002年に全米を震撼させたレイシー・ピーターソン殺人事件を例に挙げてみましょう。メディア報道は認知度を高めるのに役立ちましたが、同時にメディアの騒動をもたらし、彼女の記憶の尊厳や家族の悲しみに影を落としました。同様に、ジェフリー・ダーマー殺人犯の被害者家族は、2022年にNetflixで放映された人気シリーズ『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』によって再び注目を集めたことに対して、深い苦痛を表明しました。同番組は新たな視点をもたらした一方で、古い傷が再び開き、愛する者を失うという苦しみを再び遺族に与えました。
トゥルークライムコンテンツは、時にこうした悲劇をエンターテインメントとして利用することがあり、ストーリー性と感受性のバランスについて倫理的な問題を引き起こします。トゥルークライムコンテンツのクリエイターは、被害者とその家族のプライバシーを尊重し、センセーショナルな表現を避け、自分の作品が現実の苦しみを悪用しないようにするなど、重大な倫理的ジレンマに悩まされています。
擁護団体は、慎重に扱えばトゥルークライムコンテンツは善の力になりうると主張しています。全米犯罪被害者センター (National Center for Victims of Crime) のような団体は、トゥルークライムコンテンツが尊重され、被害者の権利や犯罪防止といった重要な問題に焦点が当てられる取り組みを行っています。もうひとつの例は、カレン・キルガリフとジョージア・ハードスタークが司会を務めるPodcast『My Favorite Murder』です。この番組は、犯罪実話を伝えるだけでなく、冤罪や司法制度の制度的欠陥の問題にも踏み込み、より広範な社会問題に光を当てています。
さらに、自らのプラットフォームを使って被害者家族を直接支援するクリエイターもいます。例えば、オーストラリアで妻殺害容疑に問われていたクリス・ドーソンが、事件から数十年後に有罪判決が下された際、Podcast『The Teacher’s Pet』のクリエイターであるヘドレー・トーマスが重要な役割を果たしました。リン・ドーソンの娘の支援を受けて、彼の調査活動は事件に新たな注目を集め認知度を高めるとともに、継続的な訴訟活動のための資金を集めました。この種の責任あるストーリーテリングは、被害者を傷つけるのではなく助けることができ、悲劇的な死だけでなく、被害者の話が社会に与える影響についても記憶に留めることができます。
法執行機関への影響
犯罪の実話に対する大衆の強い関心も、法執行業務務に大きな影響を与える可能性があります。プラス面としては、メディアが広く報道して大衆が関与することで、貴重なヒントや手がかりを得られる可能性があります。例えば、『アメリカズ・モスト・ウォンテッド』やNetflixの『未解決ミステリー』といった番組の人気は、逃亡者の逮捕につながり、事件解決において大衆の関与がいかに重要な役割を果たすことができるかを実証しています。
さらに、アマチュア探偵や犯罪マニアが捜査に貢献することも多いです。未解決事件に特化したオンラインコミュニティでは、新しい情報や議論が発掘され、時には法執行機関に新たな手がかりが提供されることもあります。ゴールデン・ステート・キラー(黄金州の殺人鬼)事件はその典型的な例で、世間の根強い関心とDNA技術の進歩が、オンライン捜査と結びついて、最終的にジョセフ・ジェームズ・ディアンジェロの逮捕につながりました。
ただし、このような魅力は同時に問題を引き起こすこともあります。犯人事件への関心の高まりは、時に誤った手がかりや根拠のない情報で法執行機関を圧倒し、より有望な捜査手段からリソースを逸らしてしまうことがあるのです。ボストンマラソン爆弾事件と並んで、英国で起きたニコラ・ブリー失踪事件では、ネットのアマチュア探偵が彼女の夫を容疑者と誤認し、捜査に支障をきたしただけでなく、彼女の家族をも苦しめました。
さらに、メディアの厳しい監視により、迅速に結果を出さなければならないというプレッシャーから、捜査が急がれたり、不当な有罪判決が下されたりすることもあります。例えば、1996年のアトランタ・オリンピック公園爆破事件で冤罪を着せられたリチャード・ジュエルの事件は、法執行機関に対する世論とメディアの圧力の潜在的な危険性を浮き彫りにしています。
警備員だったジュエルは、パイプ爆弾3個が入ったリュックサックを発見し、警察に通報しました。当初は英雄として賞賛されましたが、メディアの激しい憶測とFBIのリークにより、彼はすぐに第一容疑者となりました。十分な証拠もないまま、犯人探しの追及と焦りから、ジュエルは世間から誹謗中傷されることになりました。最終的に冤罪は晴れたものの、彼の評判に与えたダメージは取り返しのつかないものとなりました。
バランスが大切
テクノロジーが進歩し続けるにつれ、人々のトゥルークライムへの興味は深まるばかりです。ドキュメンタリーシリーズのイッキ見からオンライン探偵への参加に至るまで、テクノロジーは人々がこれらの物語を消化し、関与する方法を変え続けることでしょう。ですが、この進化にはバランスを取ることが必要です。
魅力的な物語の裏側には、現実の人々と現実の痛みがあることを忘れてはいけません。倫理的なストーリーテリングを支持し、被害者とその家族のプライバシーを尊重し、現実の捜査に与える影響に配慮することで、トゥルークライムへの執着に対して責任と敬意を払い続けることができます。
したがって、次にトゥルークライムコンテンツに夢中になるときは、それが関係者の尊厳を尊重し、正義をより深く理解することに貢献しているかどうかを自問してみてください。あなたが応援するクリエイターと、そのクリエイターがデリケートなテーマをどのように扱っているかを考えてみてください。このバランスを見つけることで、被害者に敬意を払いつつ、実際に起こった犯罪の陰謀とミステリーを楽しむことができるのです。
あなたはトゥルークライムのファンですか?なぜ魅了されるのか、以下のコメントで教えてください!
よくある質問 (FAQ):犯罪の実話(トゥルークライム)について
犯罪の実話(トゥルークライム)とは?
トゥルークライムとは、実際の犯罪事件を扱ったストーリーテリングのジャンルです。これには殺人、誘拐、強盗、その他の犯罪が含まれています。実際に起こった犯罪の物語は、書籍、ドキュメンタリー、Podcast、テレビシリーズで見ることができ、現実の犯罪行為の捜査、動機、心理的側面について詳しく知ることができます。このジャンルは犯罪行為の複雑さを掘り下げ、司法制度や犯罪に対する社会的対応についての洞察を提供することがよくあります。
トゥルークライムを視聴する方法は?
実録のコンテンツは、さまざまなプラットフォームで広く提供されています。
- ストリーミングサービス:Netflix、Max、Hulu、Amazonプライム・ビデオ、ディズニープラス、Peacockでは、数多くの犯罪ドキュメンタリーやシリーズが配信されています。
- テレビネットワーク:Investigation Discovery、Oxygen、A&Eなどのチャンネルは、『Dateline』や『Forensic Files』などの番組を含め、トゥルークライム実録犯罪に特化した番組を放送しています。
- YouTube:多くのクリエイターやチャンネルが犯罪実話に焦点を当て、事件の詳細な分析や最新情報を提供しています。『Coffeehouse Crime』や『Truly Criminal』などが有名です。
- Podcast:Serial、My Favorite Murder、Going Westなどの人気Podcastは、SpotifyやApple Podcastなどのプラットフォームでストリーミングできる音声ストーリーテリングを提供しています。
VPNを使用すると、世界中のトゥルークライムコンテンツのライブラリへアクセスを拡大でき、お住まいの地域で制限されている可能性のあるコンテンツを視聴できるようになります。例えば、ExpressVPNを使用すると自分の所在地を仮想的に変更できるため、世界中の幅広い魅力的な実録犯罪作品にアクセスが可能です。
Netflixで最も優れた犯罪ドキュメンタリーは?
Netflixは、世間で高い評価を得ている犯罪ドキュメンタリーを幅広く配信しています。特に以下の作品はおすすめです。
- 『殺人者への道(メイキング・ア・マーダー)』:ある犯罪の容疑が晴れたにもかかわらず、別の犯罪で告発されたスティーブン・エイブリーの事件を描きます。
- 『ザ・ステアケース 〜階段で何が起きたのか〜』:妻キャスリーン殺害の罪で起訴されたマイケル・ピーターソンの裁判を追いかけ、法的手続きと家族関係にを深く切り込みます。
- 『キーパーズ』:シスター・キャシー・セスニックの未解決殺人事件と、カトリック教会が関与した隠蔽工作の可能性を調査します。
- 『アメリカン・マーダー: 一家殺害事件の実録』:夫クリス・ワッツに殺害されたシャナン・ワッツとその子供たちの悲劇的な事件を検証します。
- 『母は殺人者になった -終末カルトが生んだ家族の悲劇-』:終末論カルトに入信した後、子供たちが遺体で発見されたロリー・ヴァローの物語です。
- 『殺人鬼との対談: テッド・バンディの場合』:悪名高い連続殺人犯テッド・バンディの素顔を、インタビューや事件当時の記録映像を通して冷ややかに映し出します。
- 『マードック家殺害事件: 法曹一族の裏の顔』:サウスカロライナ州のマードック一家の複雑で暗い歴史を調査します。
- 『グレゴリー事件: 迷宮入りの謎に迫る』:フランスで起きた4歳のグレゴリー・ヴィルマンの未解決殺人事件に迫ります。
実話を基にした犯罪テレビドラマシリーズといえば?
テレビドラマの犯罪シリーズには、実際に起こった事件をモチーフにしたものがいくつかあります。以下は、代表的な作品です。
- 『マインドハンター』(Netflix):1970年代に犯罪プロファイリング技術を開発したFBI捜査官の実話に基づいています。
- 『アメリカン・クライム・ストーリー』(FX):書籍『The Run of His Life: The People v. O.J. Simpson』(1997年)を基にしたO.J.シンプソン事件や、ジャンニ・ヴェルサーチ暗殺事件など、シーズンごとに異なる有名事件に焦点を当てています。
- 『見せかけの日々』(Hulu):長年にわたる虐待に耐えた末に母親を殺害しようと共謀したジプシー・ローズ・ブランチャードの衝撃的な事件をドラマ化したものです。
- 『ドクター・デス 死を呼ぶ医者』(Peacock):神経外科医クリストファー・ダンチが、障害を負った患者と死体の山を築いた恐ろしい実話を描いています。
トゥルークライム作品は倫理的ですか?
実際に起こった犯罪を語ることに対する倫理は複雑で、議論の余地があります。トゥルークライムコンテンツでは、被害者とその家族の尊厳とプライバシーを優先し、彼らの苦しみを悪用するセンセーショナリズムを避けなければなりません。クリエイターが正確な情報を提示し、デリケートな話題に慎重にアプローチすることは重要であり、自分の作品が誤った情報を広めたり、現実の悲劇の重大性を損なったりしないようにすることが重要です。
倫理的なトゥルークライム作品は、冤罪や司法制度の制度的欠陥、被害者の権利といった重要な問題についての認識を高め、擁護と改革のための基盤を提供できます。しかし、こうした作品に人々が魅了されるあまり、捜査が急がれたり、不当な有罪判決が下されたり、被害者家族が苦しんだりすることもあります。魅惑的なストーリーと、敬意と感受性とのバランスをとった責任あるストーリーテリングは、人々の言論や正義の理解を深める助けになります。